用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件及びエレベーターの制御器の構造方法を定める件の一部を改正する告示等の施行について

 令和6年1月31日、用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件及びエレベーターの制御器の構造方法を定める件の一部を改正する告示(令和6年国土交通省告示第56号)が公布、同日施行されました。
 また、通常の使用状態において人又は物が挟まれ、又は障害物に衝突することがないようにしたエスカレーターの構造及びエスカレーターの勾配に応じた踏段の定格速度を定める件等の一部を改正する告示(令和6年国土交通省告示第57号)は、令和6年1月31日に公布、同年4月1日から施行されることになりましたので、お知らせします。
講習会を開催します。
 この度の改正内容を全国の設計者、施工者、特定行政庁、指定確認検査機関の方々を始め、昇降機の定期検査業務に従事する方々に広く周知するための講習会を開催することといたしましたのでこの機会に是非、受講ください。詳細はこちら

1.改正概要

(1)小型エレベーターの床面積の制限の緩和

 昇降行程10m以下で、籠の床面積が小さい、いわゆる「小型エレベーター」は、用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件(平成12年建設省告示第 1415号)第三号において、令第129条の4の規定によりエレベーター強度検証法を用いる際に適用される「積載荷重」について、一般のエレベーターよりも緩和された数値を用いることができることとしています。
 本規定が制定された平成 12 年当時と比べると、車いすに関する各種規格は変化しており、エレベーターの籠の床面積が1.1㎡以下の場合、介助者が同乗できない、あるいはそもそも車いすが入らないなどの理由により、本当に必要とする方が使用できないケースが生じていました。
 今般、技術的検証の結果、エレベーターの制御器の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1429号)第1第一号に規定するブレーキ保持力について過荷重の対策が講じられることにより、小型エレベーターの床面積の制限を緩和しても安全性が担保されることが確認されたため、用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件(平成12年建設省告示第1415号)、エレベーターの制御器の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1429号)の一部改正が行われました。

(2)エスカレーター周辺部の構造に求められる安全基準等の改正

 近年のエスカレーターにおける挟まれ事故への対応として、建築基準整備促進事業において、エスカレーターとその周囲に設置される柵等との位置関係に内在する危険事象の洗い出し、実機試験による検証が行われ、エスカレーター周辺部の構造に求められる安全基準の見直しが必要とされたこと、令和2年には兵庫県及び千葉県内のエスカレーターにおいて、踏段が動いている状態にもかかわらず、ハンドレールが停止していたため、利用者が転倒するという事故が相次いで2件発生し、転倒事故への対応として、社会資本整備審議会昇降機等事故調査部会における議論等を踏まえ、ハンドレールに係る安全装置の義務化が求められたことから、これらのエスカレーター事故の再発防止策として必要な措置を講ずるため、通常の使用状態において人又は物が挟まれ、又は障害物に衝突することがないようにしたエスカレーターの構造及びエスカレーターの勾こう配に応じた踏段の定格速度を定める件(平成12年建設省告示第1417号)、エスカレーターの制動装置の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1424号)、昇降機の定期検査報告における検査及び定期点検における点検の項目、事項、方法及び結果の判定基準並びに検査結果表を定める件(平成20年国土交通省告示第283号)の一部改正が行われました。

2.新旧対照表等