本基準書は、昭和52年5月に「昇降機･遊戯施設定期検査業務基準指導書」として発行以来、建築基準法第12条に基づく昇降機及び遊戯施設の定期検査報告の実務に携わる方々を始め、特定行政庁その他の関係団体の皆様に広く活用いただいて参りました。

　この度、定期検査の合理化や新技術の活用を可能とするため、定期検査告示（平20国交第284号）が改正され、令和7年7月1日から施行されます。

　遊戯施設定期検査告示の別表第一号「構造部分」中、（六）「舞台及び床」の「回転舞台と接する床との隙間及び段差の状況」に係る判定基準について、現行においては「隙間及び段差が是正が必要な状態」としているところ、隙間及び段差のどちらか一方でも基準を超えた場合に是正を求めることとするため、「隙間及び段差」を「隙間若しくは段差」に改められました。

　同告示のうち「目視により確認する」とされていた各項目については、新技術を活用することを可能とするため、「目視又はこれに類する方法により確認する」と改められました。

　このほか、国土交通省は、令和7年1月24日、昇降機等検査員等の行う業務に係る不正行為等に厳正に対処し、もって当該業務の公正かつ適確な実施を確保することを目的として、「建築物調査員・建築設備等検査員の処分基準」を制定しました。

　本基準書では、これらの改正内容等を詳細に解説するとともに解説が不足している部分の増補、誤りの修正、法令改正に伴う条ズレ、項ズレの対応を行い、新たに「遊戯施設定期検査業務基準書 2025年版」として刊行いたします。

　なお、これまで「昇降機・遊戯施設定期検査業務基準書」として発行してきた本基準書は、今版より昇降機と遊戯施設をそれぞれ分冊としました。